「じゃんけん戦争」をめぐる「じゃんけん大会」のおはなし

あるところに「じゃんけん戦争」という　それはそれは　すばらしい本がありました

しかし　あまりにもすばらしい本だったのに　たった一冊しかありません

みんなが欲しくてたまらない本なのに　たった一冊しかありません


みんなは　どうしたらいいか　賢者に聞いてみることにしました

賢者が
「『じゃんけん戦争』という本であるならば　みんなで　じゃんけんして決めると良いだろう」
というと　

みんなは「なるほど」と納得し　誰が勝っても恨みっこなしで　じゃんけんをすることにしました



最初はグー！じゃーんけーん　ぽーん！

グー、チョキ、パー

アイコでしょ、じゃーんけーん　ぽーん！

グー、チョキ、パー

アイコーデショー、じゃーんけーん　ぽーん！

なかなか　勝者が決まりません


そこで今度は　全員と賢者でじゃんけんをすることにしました

最初はグー！じゃーんけーん　ぽーん！

賢者がチョキ、パーが負け

もういっかい！
最初はグー！じゃーんけーん　ぽーん！

もういっかい！
最初はグー！じゃーんけーん　ぽーん！


そして　とうとう　最後にひとりの勝者が残り「じゃんけん戦争」は勝者の手に渡りましたとさ




ところで　その後その本がどうなったか　ですって？

あまりにすばらしい本なので　たーっくさんの人に読んでもらえるようにと
勝者は　みんなが読むことができる　カフェにプレゼントしたのですって

だから　そのカフェでは　いつでも誰でも「じゃんけん戦争」を読むことが出来るようになりました


おしまい

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