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《レポート》7/21開催「もうどうけん ふりふりとまり」トークイベント [開催中の展示会情報]

去る7/21(祝) 梅雨明けの快晴の中、「もうどうけん ふりふりとまり」トークイベントが開催されました。

今回は はまのゆかさんの原画展の中で、原作者お二人

 セアまりさん(作)x はまのゆかさん(絵)

によるトークイベントでした。
当日はたくさんの方がお越しくださいました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。


まずは、出版社の幻冬舎エデュケーションの担当者 佐藤さんの司会のもと、はまのゆかさんによる絵本の朗読がスタート。

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モデルとなったフリルは女の子ですが、お話の中の「ふりふり」は男の子。
はまのさんも男の子らしい声色で「ふりふり」を演じながら読み進めます。それに合わせて絵本をめくる佐藤さん、隣でニコニコしながら朗読を聞くセアまりさん。

朗読の後、はまのさんによるトークで、お二人の出会いや、話し合いながら絵本を作り上げていかれた様子をお聞きできました。

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盲導犬を題材にした本も色々あるそうですが、どれも現実的に描かれたものが多いのだそうで、お二人は盲導犬のふりふりがパートナーのまりと一緒に海で泳ぐというファンタジーなお話に作ったのだそうです。(実際にはそういうことは無いそうですが。)
他にも、盲導犬について理解を深められるように、裏表紙に「もうどうけんってなぁに?」というコーナーを作ってお子さまにも分かりやすく知ってもらえるようにしたこと、セアまりさんからのたっての希望でお話中に出てくる他のワンちゃん達をミックス犬にしたり、海辺でダイビング仲間がいるシーンでは車椅子の方を入れてもらったり…などなど制作時のエピソードをたくさんお聞きできました!

実は今回の原画展で大好評なのが、はまのさんの「海の色」です。
絵をご覧になったお客様からは、全体的に優しくて可愛らしいイラストもそうですが、特に海の色が素敵!とたくさんご感想をいただきました。
絵本出版当初「週刊女性」に掲載されたセアまりさんの特集記事で拝見したのですが、セアまりさんは病気が発覚した頃、昔感動した沖縄の海の色が忘れられず、完全に視力が無くなる前に脳裏に焼き付けたいと旅した沖縄でダイビングを初体験したのです。それがこの絵本に繋がっているのですね。
そして絵本制作当時はまだ少し視力があったので、はまのさんの描かれた原画の海の色と刷り上がった絵本の色と比べて原画が本当に素敵なのよ、とおっしゃっていたということを、後から展示を見に来てくださったご友人からお聞きしました。
セアまりさんが大好きな沖縄の海の色、その原画の中でのトークイベントが実現したことは、私どもとしても記念に残るイベントでした。

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(後期の作品の中で個人的に大好きな絵です)

続いて、セアまりさんによるトークではユーモアも交えながら、視覚障がいと一口にいっても実は見え方には様々なタイプがあること、そして見えない中でどうやって「見て」いらっしゃるのかということ、私たち見える人たちはなかなか気づかない、見えないということはどういうことなのかをお話くださいました。そして盲導犬についてのお話では、盲導犬が「お仕事中」の時と「お仕事外」の時の違い、その場合の接し方など、また、実はフリルは茗荷谷育ちなのでパピーウォーカーさんがご来場くださったのですが、そのパピーウォーカーの役割の大切さのお話、パピーウォーカーさんとの関係性を実際にフリルとの対面場面を見せてくださって伝えてくださいました。

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そして、セアまりさんは、普段なさっているこういった視覚障がい者や盲導犬への理解についての啓蒙活動に加え、「命のたいせつさ」を伝えることもなさっています。
実はこのことは「もうどうけん ふりふりとまり」の挿し絵にもそっと忍ばされているのだそうですよ。ぜひ絵本の中で探してみてくださいね。「命のたいせつさ」のお話では、セアまりさんが子供の頃から捨てられている犬や猫の飼い主を捜してあげる活動をなさってきたこと、今もたくさんの保護犬をお世話していらっしゃること、そして命を大切に考える地盤を子供の頃から育てて欲しい、と言う話も伝えてくださいました。

少し話がそれますが、このことは、私たちの店で毎年1回開催する企画展「eこころ企画」の主旨ととても共通することで、お話を伺いながら心より共感し、熱い気持ちがこみ上げてきました。当店の企画は、命や人や物を大切にすること、そういった「こころを育む」ことを目的としています。私たちの店で開催するアートの展示や音楽ライヴなどで、小さな子供の頃から「ほんもの」や「手しごと」に触れ・感じることで自分の内なる感性に気づき育てていくこと、それが生きてゆく知恵や、相手や物に対する思いやりなど「こころを育む」ことにつながるのだと考えています。今回のトークでもそういったお話をお聞きいただくことが出来て、原画展の中でトークイベントを開催していただけたことに感動を覚えました。

話を戻して…。
お話の中で、後天的に視覚障がいを持つことになったセアまりさんは「障がい」についてとても前向きに捉えていらっしゃる、というお話もありました。
…ただ、もちろん最初からそうでは無かったとは思います。セアまりさんの言葉を借りれば色んなことを「上書きして」前向きに生きてこられたとのこと。今の状況があるからこそ出会えた人たち、感じられたこと、そういったことを以前の記憶にどんどん上書きしてきたのだそうです。この考え方は、障がいを持っている持っていないに関わらず、誰しもが前を向いて自分の人生を生きていくために必要なのではないでしょうか。多くの方に知っていただきたい、そう強く感じました。

お二人のトークの後は、参加者から出た率直な疑問や質問にお答えいただきながら和気藹々と歓談がすすみました。

最後に記念撮影♪
お話くださったセアまりさん、はまのゆかさんと、司会をつとめた幻冬舎エデュケーションの佐藤さん、そして絵本制作当時ご担当だった小林さんも駆けつけてくださいました。

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おまけ。
トークイベント中もちゃんとお仕事中だったフリルと、イベント終了後に駆けつけてくれたワンちゃん仲間たちです♪

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今回は、多くの方のご協力の下でこのような素晴らしいイベントを開催していただく機会を持てました。
お話くださったお二人、準備、集客などご協力くださった皆様、そしてご参加くださった方々、このブログをお読みくださった方、すべての皆様に心より感謝申し上げます。

この原画展は今月いっぱい7月31日まで。
残すところ4営業日です。ぜひぜひお見逃しなさいませんように。
皆様のご来場をお待ちしております!



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岡部眞弓

先週金曜日、25日夕方貴店に足を運びました者です。15年間くらい前を通り過ぎていた者です。
今回の企画で、深く理解し、共感してくださるかたがまた増えたことを大変嬉しく思います。ノーマライゼーションという言葉を知っているということと、正しい中身を理解し、実社会の中で実現させていくことの間には大きな隔たりがあります。まりさんはお洒落心に富んだ言葉で、私達にわかりやすく伝えてくれます。そして聞いた者は私にも何かできるという前進する力を得るように思います。
アイスコーヒー、とても美味しかったです。ありがとうございました。
蛇足ですが・・・お時間のある時に下記HPをご覧いただけましたら幸いです。
http://www.yumekukan.net/
by 岡部眞弓 (2014-07-29 10:05) 

ぴょんきち

岡部様

先日はご来店ありがとうございました。
茗荷谷にもご縁があったとのこと、お話を伺えて嬉しい限りです。
このトークイベントでお聞きしたお話は、ご参加くださった皆様の心にとどいたことと思います。
このような機会がいただけたこと、本当にありがたいことです。これからも機会があればまた開催したいと思いました。
リンク先が店の環境では見られなかったので、後ほどゆっくり拝見させていただきます。
コメントありがとうございました!

U_U 民谷

by ぴょんきち (2014-07-31 16:06) 

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